気をつけたい食事 ペット編
ここ数年で、人の健康ブームと同様に犬の健康にも気を使う方が増えてきています。 それと同時にペットフードの種類が増えてきています。 無添加のものや獣医師推奨のものなど、たくさんありすぎてどれを選べばいいか難しくなってきていますね。 今回は費用負担の点も踏まえてどれを選ぶべきか、どんなフードがあるのかをご紹介します。
まず、ペットフードですが、大きな枠組でみると、一般食、プレミアムフード、療法食の3種類に分かれます。 一般食とは大型量販店やスーパーなどに置いてあるペットフードがそれに当たります。 有名なフードを挙げれば、犬でいえば「ビタワン」など、猫でいえば「コンボ」などですね。 プレミアムフードとは、名前の通り、一般食のワンランク上の食事になります。 一般食も動物たちの年齢や各ステージにおけるイベントにあわせて作られていますが、プレミアムフードはフードの成分や組成をさらに考慮し、作られています。 例えば、生後4ヵ月の犬は成長するために多くのエネルギーを必要とします。 そのため、そのステージに合った食事として、より多くのエネルギーを摂取できる組成になっています。 プレミアムフードは獣医師の指示で与えることで食事量を微調整でき、より効果を発揮します。 療法食とは、名前の通り、病気のペットのための食事になります。 このフードは必ず獣医師の指示により使用しなければなりません。 ペットフード全般的に言えることですが、動物に与える量を注意しなければなりません。 私たちにとっては少ししか量を変えていないつもりが、動物たちにとっては大きな違いになりえないからです。 例えば、30kgの犬にとって10gは小さな変化ですが、3kgのチワワにとって10gの食事量の変化はより大きなものになります。 特にプレミアムフードや療法食は細く組成を考えて作られていますので、量を間違えると効果が薄れてしまうので注意が必要です。
「今まで食べていたご飯を食べなくなった、飽きているのかもしれない」こういった際にご飯をどう選ぶかのポイントをご紹介します。 1つ目が粒の大きさです。 小型犬で多いケースですが、今まで食べていたものより粒を小さいものにしてみたら、ご飯を食べるようになったというお話があります。 私たちもそうですが、目の前にあまりにも食べにくそうなものがあれば、食べる気がなくなってしまいますね。 もしかしたら動物たちも同じかもしれません。 2つ目はドライフードからウエットフードへの変更、もしくは逆のパターンです。 こちらは猫に多いお話ですが、猫は犬よりもグルメです。 ドライフードからウエットフードにするだけでも嗜好性が大きく変わることがあります。 歯の健康を考えると、なるべくドライフードをあげることを推奨しますが、どうしても食べない場合などは、ドライフードとウエットフードを混ぜてあげることも考えましょう。
さて、最後に費用面のお話ですが、一般食、プレミアムフード、療法食で大きく変わってきます。 ちなみに、全てのフードが動物病院で購入しても保険適応になりませんので、ご注意ください。 例えば、3キロくらいの小型犬で、一般食であればだいたい月に1,000円ほど、プレミアムフードで2,500円ほど、療法食であれば、3,000円以上の費用がかかります。 療法食の金額が最も高く、一般食とプレミアムフードでも金額が倍くらい変わってきます。 年間で見ると、一般食で12,000円ほど、プレミアムフードで30,000円ほど、療法食で36,000円以上になります。 療法食は治療の一環になりますので、病気にならない限りあまり食べることはありません。 一方で、年間で見ると高く見えますが、1日当たりで見てみると、一般食で1日30円ほど、プレミアムフードで60円ほど、療法食で100円ほどになります。 このフードを食べたら必ず長生きする! ということはありませんが、「最近食欲がなくなってきた」などの些細な変化が見られたら、1度かかりつけの動物病院に相談してみましょう。 上記の通り、動物病院に置いてあるプレミアムフードや療法食だと費用負担は増えますが、その子に合った適切な食事のアドバイスをもらえるでしょう。 人だけではなく、動物にとっても食べることが生きることにつながります。 それぞれの子にとって最適な食事を選んでいきましょう。 Text:行光 基(ゆきみつ はじめ) 獣医師 株式会社361°執行役員。